一般アマチュアの人はそこまで気を遣わないグリップ素材。ですが、プロはグリップに相当なこだわりを持っており、市販品に元々着いているグリップを使用している人は皆無です。当然それには理由があり、グリップを変えるだけで、球筋や、ヘッドスピードも上下します。その重要性について解説します。
グリップはクラブとの唯一の接点
最初に言っておくと、ここで言うグリップというのは、クラブに装着しているグリップの製品や素材のことで、握り方のグリップのことではありません。
そこは、勘違いのないようお願いします。
ここからが本題。
これは、当たり前に言われていることですが、グリップは、自分とクラブを繋ぐ唯一の接点です。
そのため、グリップした時に違和感があったり、グラグラしたり、フィット感がなかったりすると、それだけでスイングに大きな影響があります。
それも、ちょっとした影響ではなく、かなり大きな影響があります。
今までグリップを気にしたことがない人(昔の自分が正にそうでした…笑)は、球筋やミスショットの原因を自分のスイングに求めますが、実はグリップだったなんてことがザラにあります。
当然、スイングに原因がある場合もありますが、引っ掛け球が出たり、ダフったり、クラブがすぐに解けたり、といったミスも実はグリップが原因だったなんてことも十分考えられます。
グリップがスイングに及ぼす影響
上でも書いたように、ミスショットの原因はスイングにあることもありますが、グリップの素材やサイズ、製品差が、ミスショットを誘発してしまう、それどころかスイングそのものに影響を及ぼしてしまうといったことが多々あります。
その中でも特にアマチュアで犯してしまうミスに「スイング中の握り直し」があります。
グリップ(握り)がしっくり来ず、スイング中にグリップを強く握りこんでしまったり、握り直してしまったり。
これは、握り方が原因な場合もありますが、それ以上にグリップが自分に合っていない可能性が高いです。
これは私の体験談ですが、私は以前、握り方に物凄い悩んでいた時期があり、どう握ってもしっくり来なかったんですね。
あーでもない、こーでもない、と握り方を変えたりしていました。
そんな時、知人と練習場に行く機会がありました。
その知人は、背丈は180cm近くありますが、指の長さや太さなどは、私とほとんど同じスペックで、何か参考になることがあるかもと、握り方で悩んでいた私は、その知人にいくつか質問をしました。
するとその知人は、
「え?握り方で悩んだことなんかないけど?」とあっけらかんと語りました。
(なんだコイツはと思いながらも…笑)
そこで私は、「もしかしたら…!?」と思い、私のクラブで何球か打ってもらうようお願いしたんですね。
すると、その知人は、
「え?なにこのグリップ、すげー握りにくいし、滅茶苦茶滑るんだけど…」
と、一球もまともな球が打てなかったんです。
更に知人は続けて、
「これね、グリップが最悪だよ。純正のクラブは日本人の平均身(165cmぐらい)を想定しているし、グリップの太さも細め。もっと言うと、純正のグリップは、長持ちしやすいように、グリップ力は弱い。指が長めな俺らだと、これじゃ細すぎる…ゴニョゴニョ。」
と、如何に私と私のクラブのグリップの相性が最悪なのかを延々と語ったくれました…笑
つまり、握り方以前の問題で、そもそもグリップが自分に合ってなかったんですね。
実は、こういった人って世の中に滅茶苦茶多いんじゃないか、と思っています。
上で書いた「握り直し」なんかは正にその典型で、自分の指の長さや太さに対して、グリップが細すぎると、どうしても”余り”が出てしまいます。
アドレスしている時だと、多少の余りがあっても気になりませんが、スイング中は遠心力が掛かるので、グリップに余りがあると、クラブがすっぽ抜けそうに感じ、握り直したり、強く握りこんでしまいます。
これが、アーリーリリースに繋がっていたり、ダフりやトップを生む原因になっているわけです。
実際に私は、このグリップの余りを嫌い、アドレスの段階で強く握る傾向があり、最近流行り(?)の「ゆるゆるグリップ」なんかではとてもじゃないけど、打てたものじゃなかったんですね。
当然、その日の内に知人に付き合ってもらい、グリップ交換をしに言ったのは言うまでもありません…爆
ちなみに、グリップを変えただけで、私はヘッドスピードが最低でも1以上は上がりました。
なぜなら、以前のようにクラブがすっぽ抜ける心配がなくなり、切り返しでギュっと強く握りこむことがなくなったからです。
自分に合ったグリップ素材やサイズを選ぶ
上では私の体験談を紹介しましたが、自分に合ったグリップ素材やサイズは本当に重要です。
それだけで、スイングに好影響が出ます。
特に私が重要視しているのが、如何に滑らないか、とグリップの太さ。
グリップが滑りやすいと、切り返しの反動でどうしても反射的に強く握ってしまうので、クラブのリリースが早くなってしまいます。
太さについても、自分の指に合わないと、余りが多すぎて、最低限のフィット感を得るためには、リラックスした状態よりも指を更に折ってグリップしないといけないので、どうしても力が入ってしまいます。
特に、日本人の平均身長を超える人や身長に対して指が長い人、または指が細めの人は、純正のグリップをそのまま使用している人と、滑りやすかったり、細かったり、と言った悩みを潜在的に抱えているかもしれません。
海外のPGA選手には大柄な人が多いですが、彼らのグリップは異常に太いです。
例えば、飛ばし屋で有名なトニーフィナウ選手は、グリップを5重巻きにしているそうで、丸山茂樹プロが試しに握ってみたら、全く握れなかったそうです(笑)
※〇重巻きというのは、グリップを何重にも重ねているわけではなく、グリップを装着する前にシャフトに巻き付けるテープの巻き数のことです。
他のプロゴルファーでも、2重巻き3重巻きにしているのが普通で、ジャンボ尾崎選手も2重巻き、左を強く握りたいので、グリップエンドだけは3重巻きか4重巻きにしていると言われています。
とは言え、こればっかりは実際に自分で握ってみないと、分からない部分なので、色んな太さんのグリップや素材を試してみるしかありません。
余談ですが、私は今現在、2重巻きでNo1グリップ(一般的なグリップよりも少し太目なグリップ)を差しています。
身長が170㎝程度の知人に握ってもらうと、「太すぎて握れん!!」と言ってました(笑)
是非、参考にしてみてください!