ゴルフを真剣にしている人間ほど、必ずどこかを痛めるという悲しいジレンマがあるが、アマチュアに特に多いのが、左手親指(もしくはその付け根)を痛めるというもの。プロでもたまに悩まされている人もいるらしいが、この原因はなんなのかについて解説したいと思います。
左手親指(付け根)を痛める理由はグリッププレッシャーではない!?
左手の親指を痛める理由でよく言われるのが、グリッププレッシャー。
あまりにも、ギューっと強くグリップを握り過ぎることで、左手親指もしくは、その付け根を痛めてしまうというもの。
確かに、アマチュアの人はグリッププレッシャーが強すぎる人が多いと言われていますが、実は、プロゴルファーの中にもグリッププレッシャーが強い人は多いです。
有名なのはローリーマキロイ選手で、彼はグリップを握る強さに関しての質問で、「10の内8、9ぐらいの強さで握る」と答えていました。
なので、単純にグリップの強さ=左手親指の付け根の痛み、というわけではなく、それ以外の部分に大きな原因があります。
左手親指(付け根)を痛めるのはスイングが原因!?
実は、私もゴルフを始めて半年ぐらいまでは、左手親指の付け根をよく痛めていて、打ちっぱなしをする前には、左手親指周りを丹念にストレッチしていていました。(これ、滅茶苦茶効果あるんでオススメです)
ですが、根本的な原因を治さないと、この痛みはなくなりません。
その根本原因は…簡単に言えば、スイングにあります。
左手親指を痛める人の特徴として、スライスのミスが出やすい傾向にあるんですが、その理由が、両手の使い方にあり、左手親指を痛めるのは、スライスを助長しやすい動きの一つである、「ダウンスイング以降に左手が甲側に折れる動き」と「右手の親指を使う」ことが原因です。
左手の親指やその付け根を痛めるということは、その部分に過度なプレッシャーや、左手の親指と左手全体の動きが逆になっているということです。
正しい形でアームローテーションが行われると、左手の親指付け根にはプレッシャーが掛かりません。
逆に、「ダウンスイン以降で左手が甲側に折れている」「右手の親指でグリップを押している」これらのどちらか、もしくは両方の動きをしてしまっていると、左手親指にプレッシャーが掛かり易くなります。
こういう書き方をするということは当然、これら2つの動きは両方とも間違いという意味です。
左手が甲側に折れるというのは、実際にクラブを持ってみれば分かりますが、クラブフェースが開きます。
球を捕まえるために、本来は閉じていかなければいかないクラブフェースが、ダウンスイング以降に開いてしまっているわけです。
この動きをすると、右手が被さって来ているのに対して、左手の親指付け根が右手側に押し込まれていってしまうため、痛めてしまうことがよくあります。
それともう一つの原因である、「右手の親指でクラブを押す」動き。
世の中の大半の人が右利きなので、無意識的に、右手でクラブを操作してしまいますが(これ自体は悪いことではありません。事実、松山英樹はスイングは右手主導で行っていると語っています。)、問題はその使い方にあります。
多くのアマチュアは、右手を使う場合、右手”親指”でクラブを操作しようとします。
ですが、これが間違いで、ダウンスイング以降にプレッシャーが掛かるのは、右手の親指ではなく、右手の中指、薬指、人差し指の付け根辺りが正解です。
これは、ダウンスイング以降と言っていますが、原因はテイクバックやトップでの両手の関係性が大きく影響しています。
これはまた別の機会に解説したいと思いますが、右手の親指でグリップを強く押してしまうと、親指の下にある左手の親指やその付け根が強く押されてしまいます。
これも、左手親指、またはその付け根を痛めてしまう原因です。
もしもあなたが、左手の親指やその付け根を痛めてしまっているのであれば、是非一度、スイングについて考えてみてください。
勿論、それ以外が原因の可能性もなくはないと思いますが、大半は上で上げたようなことが理由だと思われます。
ゴルフ肘を併発してしまう可能性大…
今回は、左手親指の付け根の痛みに関する内容でしたが、それを放っておくと、それだけでは済まない可能性があります。
それが、ゴルフ肘と呼ばれる肘の痛み。
「え?親指の付け根と何の関係が?」と思うかもしれませんが、ゴルフ肘と呼ばれる肘の痛みと親指の付け根の痛みには因果関係があります。
肘だから肘の使い方や酷使が原因と思ってしまうかもしれませんが、最大の原因は別です。
ゴルフ肘は、無理して悪化した場合、手術が必要なこともあります。
そこまで行かなくても、満足にスイング出来なくなったりしたら、それこそゴルフが超つまらないものになるので、そうなる前にも、是非、親指の付け根の痛みやゴルフ肘の予防を考えておくことをお勧めします。
具体的な原因やその予防策などについては、別記事で紹介しているので、下記リンクから記事を見てみてください。