最近は女性でゴルフをする人も増えてきましたが、どうしても女性は、男性と比較して力がない分、飛距離で悩んでいる人も多いです。ですが、女性でも十分飛距離を伸ばすことは可能。そのためには、男性以上にクラブを効率的に使う必要がありますが、最も参考になるのが、元世界No1のパクインビ選手です。
プロは練習で1000球打つことが出来る
男性の場合、ある程度力がある人が多いので、クラブを効率的に使わなくても、自分の力でクラブを振り回して、飛距離を出すことが出来てしまいます。
クラブをより効率的に使えば、より楽に飛ばせるようになりますが、力任せに打ったとしても、最低限の飛距離が出てしまうので、どうしても力に頼りがちになってしまいます。
ですが、女性の場合はそうはいかなくて、クラブを力任せに振ることが出来ず、むしろ力任せに振ろうとすればするほど、飛距離が落ちるだけでなく、遠心力に負けて上手く当たらないという事態に陥ります。
そのため、ゴルフを始めた女性は飛距離を諦めてしまいがちですが、ご安心を、力のない女性でも飛距離を出すこと、伸ばすことは可能です。
当然、男性よりも飛ばすというのは難しいかもしれませんが、クラブを効率的に使えば、今よりも楽に振って、今よりも飛距離を伸ばすことができます。
実際、プロはそこまでの力感でクラブを振っていませんし、女子プロが全員ムキムキかというとそんなこともありませんし、女子プロの力は実は一般女性とそんなに変わりません。
※女子プロの握力を測定したら、一般女性と変わらないことも判明しています。
彼女たちが飛ぶ理由は、クラブを正しく使い、クラブに仕事をさせているからというのが一番の理由です。
アマチュアは練習場で300球も打てば体がバキバキになりますが(以前の私です…笑)、プロは練習場で1000球打つことも出来ます。
実際に、ブンブン丸だった知り合いに、力の抜き方とクラブの効率的な使い方を教えたら、振り回した時と比較して、飛距離は同じでも、体への負荷が全然違うと驚いていました。
そのためには、クラブに上手く仕事をさせてやる必要がありますが、女性にとって参考になる選手が…元世界ランク1位のパクインビ選手です。
非力な女性が参考にすべきパクインビ選手のスイング
上は、パクインビ選手のスイング動画ですが、動画を見てもらえると分かるように、力感があまりありません。
これまで私が見てきた中で、日本の女子プロを含めて、トップクラスに力感のないスイングをします。
確かに、彼女は飛ばし屋という訳ではありませんが、それでも、ドライバーで230~240yd程度は飛ばしますし、練習場でブンブン振り回している、一般アマチュアの男性と飛距離は変わりません。
そんな彼女のスイングには、力のない女性でも飛ばすことが出来る要素がたくさん詰まっているので、解説をしながらお伝えしていきます。
まず、彼女の特徴の一つがテイクバックです。
上の画像だと分かりにくいですが、彼女のテイクバックは非常にゆったりとしています。
よく、飛ばしのためにテイクバックを速めにしましょうと言ったことが言われることがありますが、力のない女性には、むしろこれは逆効果です。
力のある男性がより遠くに飛ばすためには、テイクバックの速度を上げるのは方法の一つですが、女性がこれをやると、クラブの遠心力に耐えられずスイングのバランスが崩れます。
なので、女性の場合は、ゆったりとしたテイクバックがオススメです。
実際に、一部の飛ばし屋の女子プロを除き、基本的に女子プロはテイクバックが男子プロよりも遅めです。
日本だと、イボミ選手などは非常にゆったりとしたテイクバックをとることで有名です。
続いて、トップの形。
彼女のトップはあまり手首のコックを使わず、手元の位置に対して、ヘッドが高い位置にあるのが特徴です。
これも飛ばしの秘訣の一つで、無理に手首のコックを使ってヘッドを遠くにやるよりも、女性の場合は、コックをあまり使わずヘッドを高い位置に上げて「位置エネルギー」を使う方がオススメです。
これまた、日本だとイボミ選手やアンソンジュ選手、笠りつ子選手なんかも似たようなトップの形をしています。
さて、スイングで最も重要なポイントの切り返しですが、ここが彼女の素晴らしい所というか、力感のないポイントで、彼女の切り返しはクラブヘッドの動きと同調しています。
よく、ゴルフスイングではクラブヘッドが上がりきる前に、「下半身から先に切り返す」といったことが言われます。
確かに、実際のスイングでは、上半身よりも先に下半身から切り返すのが普通です。
ですが、それを意識してしまうと、アマチュアの大半の人は、下半身に上半身が一緒に付いていってしまい、振り遅れて、左肩が上がり、ダフったりといったミスにつながります。
上のパクインビ選手のスイングを見ると分かるように、彼女は切り返しでほぼクラブの動きと同調しています。
実際には彼女自身、少しだけ下半身から先に切り返していますが、それはあくまでも結果論で、人間は、何かものを投げたり振ったりする時は、勝手に下半身から動き出します。
なので、下半身から切り返す意識は特に必要はないということです。
それと、切り返しで大切な要素としてもう一つ。
切り返しの瞬間に、クラブを腕で引っ張りこまないようにしてください。
上でも書きましたが、力に頼らずクラブを上手く使うには、「重力」を使うのが一番簡単で、効率的です。
なので、切り返しでは、クラブを腕で引っ張りこまず、重力を利用しましょう。
その方法は、滅茶苦茶簡単で、トップまでで上げた腕を重力に任せて、真下に落とす感じ、です。
これが最も効率の良い方法で、力のない女子プロが力感なくアマチュアの一般男性と変わらない、もしくはそれ以上に飛距離を生み出している理由です。
で、ですね、ここがある意味で一番の鬼門となるところなんですが、切り返しからの腕の落とし方には少しコツがあります。
それが、「右腕を外旋させながら落とす」です。
これまた、上の動画を見てもらえると分かりますが、パクインビ選手に限らず、プロというのは、クラブヘッドが少しだけ外回りしながらボールに向かっていきます。
その理由が、切り返しで右腕が外旋しているからです。
上記画像は、右腕とヘッド軌道のイメージです。
で、ゴルフレッスンなどでよく言われるボディーターンですが、これは特に意識しなくて大丈夫です。
ボディターンを強く意識すると、女性の方はほぼ、振り遅れてしまいます。
そうではなく、テイクバックし、トップまで来たら、右腕を外旋しながら真下に落とす感じ。
すると、クラブに遠心力が働き、自然と体がクルッと回る”ポイント”が生まれます。
このポイントに逆らわず、掛かる遠心力に身を任せ体もクルっと回すだけで、十分です。
実際に、上の動画を見てもらえれば、パクインビ選手も、そんな感じで体がクルッとターンしているのが分かると思います。
さて、ここまで、力のない女性でも飛ばすための方法について解説しましたが、ここで言っているのを物凄く簡単に言うと、重力を上手く使いクラブを走らせましょう、ということです。
勿論、男性でもこの方法で打てば、今までの力感とは比べ物にならないほど、軽い力感でクラブを振ることが出来ますし、力感たっぷりに振っていた時と比較して、飛距離が変わらないと思います。
もしかすると、力任せに振っていた時と比べて、”物足りない感”はあるかもしれませんが、ゴルフスイングは意外とそんなものだったりします。
勿論、更に上の飛距離を目指す場合は、クラブを効率的に使う以外に、フィジカル面の強化なども必要にはなってきますが、一般女性であっても、ドライバーで180yd~200yd程度であれば、筋トレなどの面倒くさいことは必要ないと私は確信しています。
クラブを正しく、効率的に使えば、ほぼ全ての人が、それぐらいの飛距離なら確実に出せるはずです。
私の知人、これは男性ですが、腕立て伏せが1回も出来ない非力な彼ですが(笑)、ドライバーで250ydぐらいは飛びます。
それはもう、力感ゼロです。
是非、試してみてください!