世界では韓国人女子プロが教科書的スイングとして取り上げられることが多いですが、その中でも「今の女子プロで最強のスイングだ!!」と称賛されているのが、キムヘリム選手のスイング。そんな彼女のwikiやプロフィール、またアマチュアに参考になりそうな部分を含めて、スイング解説してみたいと思います。
キムヘリム選手のwikiとプロフィール
- 生年月日:1989年9月08日(28歳)
- 出身地:韓国
- 身長:167cm
- 体重:67kg
世界ランク30位台の実力者にも関わらず、韓国を主戦場にしていることもあり、あまり世間では認知度が高くない、キムヘリム選手。
ゴルフ歴は14歳からと、プロゴルファーの中ではかなり遅咲きで、プロ転向後に初優勝を挙げるまで9年掛かった苦労人の一人。
そんな彼女は、2016年に2勝を挙げ韓国ツアーで賞金ランキング上位に躍り出ると、その後は安定的な成績を収め、一躍、韓国のトッププレイヤーの一員に。
日本では2017年のサマンサタバサレディースでの1試合のみの出場で、その時は、主催者推薦枠を経て、更には同時期に開催された全米女子オープンの出場権を放棄してまでのある意味での、強行出場でした。
その理由が、2018年の日本ツアー出場権を手に入れるため。
実はキムヘリム選手、日本でプレーすることを強く望んでおり、実力者が全米オープンに出場している隙を狙い、「優勝一点狙い」でサマンサタバサレディースに出場したとのこと(笑)
まぁ、何が恐ろしいかって、本当にそれで勝ってしまう彼女の精神的な強さと実力ですよね。
なので、2018年は日本ツアーにも定期的に出場すると思われます。
※スポンサーなどの兼ね合いもあり、韓国の大会にも出場するらしいので、日本と韓国を主戦場とする予定です。
キムヘリム選手の素晴らしい人間性
日本では未だ1試合のみの出場(正確には、2016年と2017年のザ・クイーンズに韓国代表として出場していますが、公式戦ではないので…)なので、日本ではあまり馴染みがありません。
…が、上でも言ったように、韓国では実力者として知られており、イボミ選手やキムハヌル選手のように、あだ名も勿論あります。
それが、「チャリティエンジェル」
これだけ聞いてもピンときませんが、キムヘリム選手は、2007年にプロ転向すると、出場した大会で得られた賞金の1割を必ずどこかの慈善団体へ寄付しています。
これは彼女自身が語っていたことですが、
社会貢献をするのも私の役目。これまでで約3000万円の寄付をしましたが、目標は1億円を寄付すること。もっとたくさん賞金を稼いで、高額の寄付が出来るように頑張りたい。
素敵過ぎるやん。
実際に彼女は、サマンサタバサレディースで優勝した際の賞金の1割を、東日本大震災の復興支援として100万円を寄付しました。
その理由として、
日本の大会で稼いだ賞金なので、日本で助けが必要とされるところに力になりたかった。
と、彼女自身が語っていました。
…もう一回だけ言わせてください。素敵すぎるやん。
しかし、女子プロゴルファーは男前な人が多いですね。
今回のキムヘリム選手もそうですが、韓国だとチョンインジ選手、日本でも、原江里菜選手や、大山志保選手などが、多額の寄付をしたことで知られています。
詳しい話は下記リンク先の記事に書いてあるので、興味があれば見てみてください。
世界で称賛されるキムヘリム選手のスイング解説
世界では韓国女子プロのスイングが称賛されていますが、その中でもキムヘリム選手は、「女子プロ界、最高のスイングだ!!」というアナリストもいるほど、世界的に称賛されています。
そんな彼女のスイングは下記動画で見てもらうとして、ここでは彼女のスイングの特徴…ではなく(笑)、我々アマチュアにとって参考になる部分を彼女のスイングで見つけたので、その部分を掘り下げて話をしてみたいと思います。
プロとアマのスイングのスイングの違いの一つに、ハンドアクションがありますが、彼女のインパクト前の動き(一般的にプレインパクトと呼ばれるポジション)からそれが良く分かります。
それが、下記画像。
注目して欲しいのは、赤丸で囲った右手と左手の関係性です。
アマチュアのミスで多いのが、トップからいきなりシャフトを立ててボールを捉えに行こうとすることで、これがアウトサイドインやキャスティングの動きに繋がります。
ですが、キムヘリム選手の赤丸で囲ったポジションでの手元の動きを見ると分かるように、トップからダウンスイングにかけてはむしろ、シャフトを寝かせるような動きになっています。
※スローな動きで彼女のスイングをトレースするとそれが良く分かるはずです。
実はこれが、インサイドアタックを生みだす動きのキモで、切り返しから最初の動きだしではむしろシャフトを少し寝かせるような動き、そしてその後に、シャフトを立てる動きが入ってきます。
アマチュアの多くはこれとは逆の動きをします。
トップから切り返しでシャフトが立ち、ダウンスイング後半でシャフトが寝る動き。
なので、プロがトップからヘッドが少し外回りするのに対して、アマチュアはむしろヘッドが少し内回りでヘッドが下りてきます。
その結果、腰が浮き、体が伸びあがるような動きでインパクト直前にシャフトが寝て、下から煽るような打ち方になるわけです。
ただし!!
この打ち方をマネしようとしても上手く行かないことが多いと思います。
そこで重要なのが、腕の前腕の回旋動作です。
アマチュアは上記画像赤丸の部分から、手首のスナップで球を叩きに行こうとします。なので、手前をダフってしまったり、フェースがガバっと開いてスライスをするわけです。
そうではなく、フェースの動きやローテーションをつかさどるのは、前腕の回旋動作です。
フェースローテーションはヘッド軌道で無理に作ろうとするのではなく、前腕の回旋、つまり、シャフトを回転させることで行います。
この前腕の回旋動作がハンドファーストインパクトや、このポジションまでシャフトが寝るような動きをしていても、球をクリーンに捉えることが出来る秘訣です。
それが正しいフェースローテーションに繋がります。
※フェースローテーションについての詳しい内容は下記リンク先の記事で紹介しているので、見てみて下さい。
それにしても、キムヘリム選手は良いスイングしますね。下記画像のインパクト前後の後方写真とか、リッキーファウラーそっくりです(笑)