女子プロの世界ランク1位を保持しているリディアコー選手。飛距離こそトップ50圏外だが、全てのクラブの精度が超絶高い。そんな彼女のゴルフを支えているスイングの変化や動き、またレッドベターのAスイングなどを解説します。
ゴルフは飛距離じゃない!を体現しているようなゴルフで、出場する試合の半数以上で、常に上位争いを出しているリディアコー選手。
海外のLPGAの試合をほぼ全て見ている私が言っているのだから間違いない(笑)
そんな彼女の2017年の直近11試合の成績がこんなかんじ。
リディアコー選手2017年ツアー成績
6月の試合
米国女子ウォルマートNWアーカンソー選手権「25位T -8」
米国女子マイヤーLPGAクラシック「10位T -12」
5月の試合
米国女子キングスミル選手権「10位T -7」
米国女子ボランティア・オブ・アメリカ・テキサス・シュートアウト「47位T +1」
4月の試合
米国女子ロッテ選手権「2位T -17」
3月の試合
米国女子ANAインスピレーション「11位T – 7」
米国女子キア・クラシック予落落ち「+2」
米国女子バンク・オブ・ホープ・ファウンダーズ・カップ「8位T -20」
米国女子HSBC女子チャンピオンズ「9位T -12」
2月の試合
米国女子ホンダLPGAタイランド「8位T -11」
米国女子ISPSハンダ・オーストラリアン女子オープン「46位T +2」
直近11試合で6回のトップ10!!
優勝こそないが、予選落ち1回のこの安定感!!
世界ランク1位としては物足りないと感じるかもしれないが、これはマジで凄い。しかも、世界最高峰と言われているアメリカのLPGAでの成績ですからね。
リディアコー選手のスイングが変わった!?レッドベターのAスイングからの脱却
私ぐらい世界のゴルフツアーを見まくっている変態であれば、上位に頻繁に顔を出している選手なら顔にモザイクが掛かっていても、スイングでどの選手かぐらいは簡単に分かります。
そんな私が、最もスイングの変化を感じたのが、最近のリディアコー選手。
特に顕著な変化が、テイクバックの上げ方。以前まで彼女は、テイクバックを凄くシャットに上げていました。
この頃に実践していたのが、レッドベターのAスイングと呼ばれる理論で、クラブをヘリコプターのプロペラ(テイクバックからダウンでクラブが背中側に寝るような動きをする)のように回して使います。
そのため、この頃(いつ頃?2016年前半頃まで?)は、リディアコー選手のクラブの動きは今よりも、ループが強かった。
ちなみに、プロの大半が、大なり小なりこのループを描きます。日本だと、池田勇太選手なんかは、ループがかなり強いタイプのスイングをします。
※テイクバックからダウンで物凄く後ろ側にクラブが回ってますよね?
逆にアマチュアの人の多くが、これとは逆のループを描きます。
その理由の1つが、アマチュアの人の多くがテイクバック時に物凄く「インにクラブを引く」からで、その結果、ループが逆になる=アウトサイドインの軌道になってしまうわけです。
勿論、これ以外にも、体の根本的な使い方がそもそも違うというのもありますが。
で、このループに関して、ド素人時代の私はこう思っていたわけです。
「いやいや、ダウンでクラブが背中側に行くと、ヘッドが落ちてシャフトが寝てしまうんじゃ?ダフっちゃうよー。」と。
でも、実際には、ダフらないんですね、これが。
それには、グリップエンドの扱い方とパッシブトルクが関係しているんですが…、と、これ以上行くと話が進まないので、それはまた別の機会に書きたいと思います(笑)
【動画】2017年のリディアコー選手のスイング
上の動画が、リディアコー選手の2017年のスイングですが、テイクバックの上げ方が、以前よりも、イン側になり、以前はトップでシャフトクロスの形だったのも、今はスクエアなトップになっています。
その理由の一つが、スイングに関するコーチを違う人に変えたからだと言われています。
ちなみに、今現在、ミシェルウィー選手がレッドベターのAスイングに取り組んでいると言われていて、彼女のスイングも、最近は、ワッグルの段階から、かなりシャットにクラブを上げようとする意識が感じられます。