2018年、日本の女子ツアーで圧倒的な飛距離を武器に戦う葭葉ルミ選手。元々、飛ばし屋ではなかった彼女がある時を境に世界でも屈指の飛ばし屋に変わったことで、ある疑惑が掛けられています。それが、彼女のドライバー「クレイジー」が適合外では!?というもの。
葭葉ルミ選手の飛距離の秘密
当サイトでは、彼女の飛距離については何度か触れたことがあります。
そこでは、彼女がオフシーズン、フィジカル強化に明け暮れ、ヘッドスピードUPに成功し、結果として飛距離が伸びたという話をしましたが、それともう一つ、彼女の飛距離をUPを支えたのが、クラブ。
※彼女が語るヘッドスピードを上げる方法は別記事で紹介しているので、興味があれば、下記リンク先を見てみてください。
彼女は元々クラブ契約をナイキとしていました。
ですが、知っている人は知っていると思いますが、ナイキはゴルフ用品の開発販売から撤退したので、契約していた葭葉ルミ選手はクラブ契約フリーになりました。
そこで彼女は、色々なクラブを試し、その中でも飛距離で他のクラブと差があった「クレイジーのCRZ-435」という地クラブをセッティングに入れました。
彼女曰く、とにかく今までよりも良いクラブをということで探した結果、このドライバーにたどり着き、クラブを変えただけで飛距離が10Y以上伸びたそうです。
ドライバー「クレイジー」は適合外!?
クラブを新しくクレイジーにした彼女はシーズンに入り、ほかの選手を圧倒する飛距離を出していました。
そこで、こんな疑惑が。
それが…彼女のクラブは適合外では!?というもの。
これはある意味当然の反応と言えば当然の反応で、現代のクラブ、とりわけドライバーに関しては、反発係数の上限が決められており、それを超えるものは適合外扱いを受けているからです。
当然、どのメーカーも、この反発係数ギリギリまで反発力を上げる努力はしており、そのため、クラブを変えたからと言って、いきなり10Y20Y飛距離が伸びるというのは、アマチュアならまだしもプロの世界ではそうそうないからです。
なので、周りのプロから「彼女のクラブは適合外のものではないのか?」という疑惑が噴出したと言われています。
ただ、クレイジーというクラブは、適合内であるというお墨付きをもらっていると言われているので、競技ゴルフで使用しても問題ないです。
ちなみにですが、過去にはプロが使用していたクラブで、実は適合外でした、という例はいくつかあり、最近だと、池田勇太選手が使っていたクラブが、適合試験を受けたら落ちたという例があります。
「地クラブが飛ぶ!」はマジだった
葭葉ルミ選手が使用しているクラブに限らず、よく、地クラブは飛ぶといったことが言われますが、実はこれマジです。
勿論、地クラブにもよりますが、一本一本手で作られている地クラブ(その分、値段も高い)は大手メーカーが作るものよりも飛距離が出るといわれています。
それには勿論理由があり、上でも書いたように、ヘッドの反発係数は上限が設けられているので、それを超えることは出来ません。
全てのメーカーはその基準内で出来るだけ反発係数の高いものを作るわけですが、大手メーカーの場合、ギリギリを狙うことが難しくなります。
というのも、大手メーカーは大量生産をするので、機械がそれらを作ります。
その生産の工程の際、反発係数に微妙な誤差が出ます。
適合試験は、無作為に選ばれたクラブで行われれるので、その際に生産過程で基準の反発係数を超えたものが選ばれた場合、不適合の烙印を押されます。
そうすると、プロが使用することも、アマチュアが競技ゴルフで使用することもできなくなります。
これが怖いため、大手メーカーは反発係数ギリギリを狙うわけではなく、生産過程で出る、微妙な誤差を最初から考慮して、反発係数を基準値の上限から少しだけ抑えたものを生産しているわけです。
…が、1本1本手作りで作られる地クラブは、この反発係数をギッリギリまで攻めることができます。
なので、大手メーカーよりも攻めた反発係数のクラブを作ることが出来、結果的に大手メーカーよりも飛ぶクラブが当たり前のように存在しているということです。